今回の診療報酬改定、なかなかインパクトのあるものでしたね。特に7対1の施設基準が厳格化されたこと、要は“増えすぎた7対1の病院を減らす方向に持って行こうということでしょう。
病院はなぜ7対1を目指すのか
看護学生はもちろん、現役の看護師さんでさえ、病院がなぜ7対1を取得するのかということを理解されている方は少ないと思います。
7対1と聞くと、看護体制の充実、スタッフの負担軽減、等が目的で、7対1 = 働きやすい というイメージをお持ちかと思いますが、もっと根本的な目的があります。
それは、“診療報酬” です。
病院は、一般病棟7対1入院基本料 という施設基準を取得することにより、診療報酬の加算がもらえます。
要するに、7対1を取得することにより、 病院が儲かる(職員の待遇も良くなる)のです。
7対1にするには多くの看護師が必要ですが、その看護師の人件費を差し引いても大きな利益を得られます。
増えすぎた7対1の病院
ところが、当初、お国が想定していた数よりも大幅に7対1の病院が増えてしまい、国の予算(医療費)を圧迫してしまっている現実があります。
そこで、診療報酬改定により、7対1の施設基準を厳格にし、7対1の病院を削減する方向に動いたということでしょう。
7対1の病院が減るとどうなる?
- 10対1や13対1に戻さざるを得ない病院が増える
- リストラまたは自然退職(採用ストップ)により看護職員を減らさざるを得ない
( 10対1 や 13対1 では 7対1分 の看護師数の人件費を捻出できない為 ) - 経営破たんする病院も出てくる
- 看護師の求人が減る
- 生き残った7対1の病院に質の高い優秀な人材が集まる
などなど…
どんな病院が厳しくなるの?
- 手術件数や救急件数の少ない(またはやっていない)病院
- 亜急性に近い小規模な急性期病院
- 看護必要度の低い患者が多い病院
- 急性期のベッド数が少ない病院
- 地域連携できていない病院
などなどでしょうか。
さらに、消費税増税も加わり、医療業界にとってはかなり厳しい改定となっております。
看護師の就職はまだまだ売り手市場
逆に、今後も7対1を維持し黒字経営をしている病院は、質の高い医療を展開している経営力のある急性期病院と言う指標にもなります。
とはいえ、まだまだ看護師の採用は売り手市場が続くと思われますが、ここ数年で看護科のある大学等が急増しており、看護師人口も急増しています。ひと昔前の様な超売り手市場とは言えない状況になってきているかもしれません。
どんな職種でも、基本は挨拶から!そして、身だしなみ、礼儀、マナー。昔も今も変わらず人柄重視で採用するところがまだまだ多く、それが基本です。
そして、やはり転職の多い人材は敬遠されます。安易に転職を繰り返さないようくれぐれも転職は慎重に動いてください。
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