看護の世界では、昔からお礼奉公の文化が続いております。
昨今は不景気の影響もあり、経済的な理由で病院奨学金を借りて看護学校に通わざるを得ない看護学生が増えています。
卒業後には看護師としてその病院に数年間勤務し、お礼奉公をする代わりに奨学金の返済が免除されるという、昔ながらの形態の奨学金制度が残っているのは、看護師のくらいじゃないでしょうか。
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お礼奉公とは?
お礼奉公(おれいぼうこう)とは、予め就職を約束した病院から学費相当となる費用を奨学金として借入し、卒業後にはその病院に就職、3年~5年間の勤務をすることにより、その全額または一部の返済を免除するといった制度です。
金額的には、毎月5万円~10万円、年間で60万円~120万円ほどになり、それを無利子で借りることが出来ます。
別の病院に就職などでお礼奉公できない状況になった場合は、即日で一括返済をしなくてはいけなくなるため、看護学生や親御さんにとっては有難い制度である反面、トラブルや問題も多い制度です。
看護学校、病院、看護学生、それぞれのメリット
病院奨学金を受けて看護学校に通うということは、看護学校に入学する前から就職先が決まっているということになります。
基本的には、その看護学校の経営者と病院経営者が何らかの契約を交わし、学校の先生が奨学金を借りる先となる病院を紹介する流れとなります。
看護学校のメリット
学費を払えない家庭の子供でも生徒として迎え入れることができ、病院が学費を払ってくれるので学費のとりっぱぐれが無い。(=経営の安定)
病院のメリット
確実に若い新卒ナースを採用でき、お礼奉公の期間は退職するリスクも低いため、安定して看護人員を確保できる。(高い求人広告費を払って募集しても確実に必要な看護師数を確保できる保証はない。)
看護学生のメリット
学費の心配をすることなく通学できて、卒後もほぼ確実にその病院に就職ができる。(親御さんも安心)
…
と、普通に考えたらWin Win Win な素晴らしい制度に見えますね。
しかし、お礼奉公にまつわるトラブルは後を絶ちません。
お礼奉公に関するトラブル
まず、看護学校に入学する前に奨学金を受けるということは、その学生はまだ高校生、5年一貫の看護学校なら中学生くらいということになります。
そんな幼い知識で奨学金の借り先やお礼奉公のことを考えて決めるわけです。
もちろん、親御さんや先生のサポートを受けるわけですが、学生本人には奨学金を受ける先(就職する病院)のことなどわかるはずがありませんよね。
結局は、本人の意思より、親御さんや先生の意向により決定するわけです。
そして、看護学校に入学後、実習や先輩からの口コミ等で、お礼奉公をする就職先の病院の実態を知ります。
もちろん、マッチングする人も多くいますが、自分の方向性や看護の考え方とその病院が合わなくても、就職先は簡単には変えらません。
そのため、就職ミスマッチの発生も多いです。
お礼奉公をする病院が自分に合わなかったり、就職後に人間関係で悩んだり、看護のお仕事そのものが嫌になって退職したくなっても、奨学金の一括返済ができなければ、3年間~5年もの間、耐え忍ばないといけないということです。
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多くの方は、経済的な理由により奨学金制度を利用しているので、一括返済できる余裕なんてあるはずもなく、そう簡単には奨学金の呪縛から抜け出すことができません。
では、どうすれば良いかというと、一つだけ、方法があります。
奨学金を肩代わりして返済してくれる病院
要するに、奨学金の全額を立て替えて一括返済してくれる病院があるんです。
例えば下記のような病院です。
但し、あくまでこれも「奨学金」なので、返済またはお礼奉公が必要です。
全ての借金を返済してくれるわけではありません。
転職先が奨学金を肩代わりしてくれた = 転職先から奨学金を受けることになります。
ですので、転職先で新たにお礼奉公で返済(または給与天引きで分割返済)ということになります。
その辺りについては病院によっても対応が異なりますが、親切な病院であれば丁寧に相談に乗ってくれて、無理の無い範囲で続けられるよう調整してくれます。
今のあなたなら病院や看護の知識があるので、ある程度の知識を持った上で転職先の病院を探すことが出来ますね。
但し!このような奨学金立て替え返済制度や肩代わり制度がある病院は、そう多く存在するわけではなく、簡単には見つけることができません。
インターネット検索をしても求人サイトなどには公開されていないケースがほとんどで、あまりヒットしません。
「非公開求人」って聞いたことありますよね?
なかなか一般の求人記事で、「奨学金肩代わりしますよ」といった内容は、道理的な問題もあり掲載できないですし、求人媒体上のルールや文字数制限などもあったり、応募が殺到しても困るので、あまり大々的に公開できない情報なのです。
なので、こういうデリケートな情報は、看護師専門の紹介会社が非公開求人・一般公開されない未公開求人情報として取り扱っていることがあります。
特に、新病院立ち上げや新病棟オープン、大規模な組織変更、諸事情で退職者が重なり大量募集をしなくてはならない等、ありとあらゆる手段を使って人材を集めなくてはいけないタイミングがあります。
そんなタイミングを逃さないよう、信頼できる大手3社くらいに登録して、定期的に情報収集することをおすすめします。転職の意思が固いのであれば、早めに情報を集めてアンテナを張っておきましょう。
うまく行けば、今よりお給料もアップし、お休みや福利厚生も充実するパターンも多いです。
転職は焦らずに、同じ失敗をしないように、次の就職先は慎重に探しましょう。
せっかく奨学金の肩代わりをしてもらっても、転職先がまた合わなければ、負の連鎖で辛い状況に陥ります。
できることなら、学生時代からお世話になった今の病院でお礼奉公を全うした上で転職するのが理想です。
転職はエネルギーを使いますし、リスクも伴います。あまり焦らずに、今からゆっくり時間を掛けて情報を集めても良いと思います。
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